スポーツ放映権資料室

スポーツ放映権に関する情報をまとめた資料室です。 「放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ」の別館です。

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  • 権利者: フジテレビ、DAZN
  • 契約期間: 2023~25年の3年間
F1、フジテレビとも3年契約を発表。DAZNとの共存固まる。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

●2016~22年の契約について
2016年にFOX Sports Asiaが、日本を含むアジア各国の放映権を一括して取得。
日本でも独自での中継開始に向けて動いていたが断念し、従来通りフジテレビにサブライセンスを出すことに。
また、新たに参入したDAZNについてもライセンスを出した。

その後、FOX Sportsはディズニーに買収。経営方針の変化により、アジア市場からの撤退を決定。
契約延長の可能性はなくなり、2023年以降の新たな契約がどうなるか注目されたが、F1は引き続き2社と契約することとした。
基本的に1か国につき1社との契約であるため、異例な決定と言える。

2016年のF1放映権騒動と2023年の展望。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

●2026年以降の契約について
引き続き2社と契約するのか、あるいは1社に絞るのかが注目される。
また、F1公式の「F1 TV Pro」が解禁されるかも大きなポイントである。

日本ではJ SPORTSが放送している。
2025年の放送予定は以下の通り。

サイクルロードレース2025シーズン放送・配信ラインアップ決定 ! グランツール全ステージ、モニュメント全戦など 2025年もサイクルロードレースはJ SPORTSで! | J SPORTS | 株式会社ジェイ・スポーツ

スウェーデンの代理店・Spring Mediaが運営する「Staylive Cycling」でも配信あり。
2023年にサービスを終了した「GCN+」の権利を事実上引き継ぐ形となっている。

Staylive Cycling Powered by Eurosport


●放映権の詳細
主に欧州で開催されるレースについては、以下のように分類される。

①ASO
ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ、パリ~ルーベなど

フランスのASOが主催もしくは協力しているレース。
J SPORTSの最新の契約は2023年からで、契約年数は非公表。


②RCS
ジロ・デ・イタリア、ミラノ~サンレモ、イル・ロンバルディアなど

イタリアのRCS Sportが主催するレース。
2021年からWBD(ワーナーブラザーズ・ディスカバリー)が5年契約を結んでいる。

J SPORTSはWBDからサブライセンスを受ける形で放送。
Stayliveも同様にサブライセンス契約をしており、両方で視聴することができる。


③フランダース・クラシック
ロンド・ファン・フラーンデレンなど

ベルギーのフランダース・クラシックが主催するレース。
放映権はinfrontが代理店を務めており、WBDに販売している。
GCN+では視聴できていたが、Stayliveは2024年5月にローンチしたサービスのため、2025年の配信予定については不明。公式の発表を確認すること。
※2025年1月の時点では視聴不可となっている。

J SPORTSはロンド・ファン・フラーンデレンのみスポットで権利を獲得している。


④その他WBD系
ベネルクス・ツアーなど

WBDは、ワールドツアー以外にもプロシリーズなど下位カテゴリーの放映権を多く獲得しており、欧州ではユーロスポーツやdiscovery+などを通じて放送されている。
日本ではStayliveで視聴可能。


⑤その他infront系
ツール・ド・スイス、ツール・ド・ポローニュなど

infrontが代理店となっているレースについては、WBDが放映権を獲得すればStayliveで配信される。
ただし、交渉が難航するケースが目立ち、開催直前に決定することもあれば、結局配信されないことも。最新の配信予定を確認する必要あり。


⑥いずれにも属さない
ツアー・ダウンアンダー、リエージュ~バストーニュ~リエージュなど

これらは主催者(または代理店)との個別交渉となる。


詳細については以下の記事も参照されたい。
自転車ロードレース関連の放映権まとめ | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

2022年、DAZNは月額料金を1,925→3,000円に大幅値上げ。同時に年間プランを導入した。
一方で、2022-23シーズンからプレミアリーグの放映権を失った。(SPOTV NOWが獲得)

そのため、DAZNは放映権を失うことが分かっていながら年間プランを導入し、顧客を欺いたのではないか?との疑惑を招くことになった。


●時系列の整理
2022年1月、プレミアリーグは次期(2022-23シーズンから3年間)の入札を実施。
日本市場においては、1月20日が第1回の入札締め切りであった。

DAZNが料金の値上げを発表したのはその翌日である1月21日
もし1回目の入札で決着したのであれば、DAZNが放映権を失うことを事前に知っていた可能性はある。
ただし、SPOTV NOWを運営するEclat Media Groupが落札したと最初に報じられたのは1月28日なので、この時点では確定していなかった可能性が高い。

来季プレミアリーグ放映権関連時系列まとめ | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ


●値上げ発表のタイミングについて

一般論として、値上げの決定は時間をかけて検討するものである。
もし、1月20日の時点でDAZNが放映権を失うことが分かったとしても、そのこと自体は決定を覆す理由とはならない。

また、発表のタイミングも関係各社との調整が必要なことから、それ以前に決まっていたものと考えるのが妥当である。
現に、当日はDAZNからの正式発表だけでなく、KDDIがauユーザー向けに告知をしていた。


●その後の対応について
SPOTV NOWが正式に放映権を獲得したと発表したのは4月14日のことである。
DAZNは当時の権利者として契約に関する守秘義務を負っているが、SPOTV NOW側が正式に発表した時点で、少なくとも翌シーズン以降の件については公知になった。

DAZN側はこの発表を受け、珍しく「来季の放映権を保有していない」ことを認める声明を出した。ただし、この時点ではまだ諦めておらず、引き続き関係者との協議を続けるとしている。

結果的に獲得はできなかったが、その後とくに新たな発表がなかったことについては疑問が残る。

なお、2019年にDAZNがプレミアリーグの放映権を獲得した際の発表では「2019-20シーズンより3シーズン」の契約であることが明示されており、2021-22シーズンが契約の最終年であることは公知の情報だった。
値上げが発表された時点で、この点を指摘するメディアがなかったことも残念な点である。もちろん、DAZNが自ら周知するという選択肢もあっただろう。

DAZNが来季以降のプレミアリーグ全試合独占配信を発表! 2019-20シーズンから3年間 | サッカーキング

アメリカ国内

2023-24シーズンからいわゆる4大ネットワークとAmazonが11年契約を結んでいる。
放映権料(推定)と主な対象試合は以下の通り。

ディズニー (ABC、ESPN)
  • 年27億ドル
  • Monday Night Football
  • プロボウル
  • スーパーボウル (2026,2030シーズン)
FOX
  • 年22億ドル
  • 日曜昼の試合(ローカル枠、NFC)
  • スーパーボウル (2024,2028,2032シーズン)
CBS
  • 年21億ドル
  • 日曜昼の試合(ローカル枠、AFC)
  • スーパーボウル (2023,2027,2031シーズン)
NBC
  • 年20億ドル
  • Sunday Night Football
  • スーパーボウル (2025,2029,2033シーズン)
Amazon

Google (YouTube TV)は「NFL Sunday Ticket」の販売権を獲得している。
NFL Sunday Ticketは、全米中継される試合を除いた全試合を視聴できるパッケージ。
2023~29年の7年契約で、年20億ドルと推定。
【速報】NFLサンデーチケットはYouTubeに決定。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

Netflixは、クリスマスに開催される試合の独占配信権を獲得。
2024~26年の3年契約。2024年は2試合が開催され、放映権料は1.5億ドルと推定。
【追記あり】Netflix、NFLのXmasゲーム配信。そしてWWEは? | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ


グローバル(日本含む)

全試合を視聴できるパッケージ「NFL Game Pass」の販売権をDAZNが獲得。現在、DAZNのサービス内に組み込まれている。
2023年からの10年契約で、総額10億ドルと推定。
【速報】DAZN、NFLと10年契約。Game Passの販売権獲得。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ


日本

日テレジータスで放送あり。
DAZNは、上記「NFL Game Pass」以外に通常の会員向けに配信を行っている。

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