スポーツ放映権資料室

スポーツ放映権に関する情報をまとめた資料室です。 「放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ」の別館です。

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テレビ朝日は2017年、AFCと4年総額180億円の契約を結んでいたとされる。
【解説】W杯アウェー予選が地上波消滅、放映権高騰で恐れていたこと起きた - 日本代表 : 日刊スポーツ

2021年以降の放映権については、AFCの代理店が従来の電通から中国系のFMAに変更。FMAはAFCと8年総額20億ドル以上の契約を結んでいたとされる。
これにより、従来よりも放映権料が跳ね上がったものと推定され、テレビ朝日には手が出せなかった。

※なお、上の記事では、FMAがテレビ朝日に対して8年総額2000億円を提示したような記述があるが、実際には(中東を除く)アジア全体の数字なので、日本単独のものではない。


交渉が暗礁に乗り上げたことから、AFCはFMAとの契約から日本向けの権利を切り離すことを決断。電通と改めて契約を結んだ。
電通はDAZNに放映権を販売し、ホーム開催など一部の試合をテレビ朝日にサブライセンスすることで決着をみた。
この流れにおいて、DAZNは放映権料をつり上げた当事者とは言えない。

AFCとDAZNの放映権契約時系列まとめ | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ


その後の報道によると、DAZNが結んだ契約について、放映権料は60%下落したとしている。
つまり、放映権料のつり上げ以前に、そもそもテレビ朝日には放映権を維持する体力がなかったと言える。

The value of Asian Football Confederation rights dropped by 60 per cent in the current cycle
Ambitious Eclat sends Premier League fees up in Japan and Korea | SportBusiness Media

  • 権利者: DAZN
  • 契約期間: 2021~28年の8年契約
  • 代理店: 電通

AFC(アジアサッカー連盟)が主催する大会の放映権について、2021年から中国系の代理店・FMAが契約。
日本側との交渉が難航したため、AFCはFMAから日本向けの権利を分離し、電通と改めて契約。
電通はDAZNに放映権を販売し、テレビ朝日に一部サブライセンスする枠組みを作った。

その後、FMAはAFCから契約をすべて打ち切られている。
AFCとDAZNの放映権契約時系列まとめ | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ


●ワールドカップアジア予選
最終予選のみAFCが放映権を管理。
アウェー開催はDAZNが独占配信。ホーム開催はテレビ朝日にサブライセンスしている。

2次予選まではホーム開催国が放映権を管理しているため、アウェーの試合については相手国と交渉する必要がある。
2023年11月のvs.シリア戦では、シリア側の代理店と交渉がまとまらず放送がなかった。
【残念】シリア戦の放映権交渉、2日前にブレイクか。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

●アジアカップ
2023年と2027年の大会が対象。
DAZNはグループステージ2試合と、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)を独占配信。他の試合はテレビ朝日にサブライセンス。
DAZNがAFCと長期契約! 2028年までW杯予選、五輪予選など各アジア大会中継へ | ゲキサカ


●ACL
秋春制に移行したため、実質的には2028-29シーズンまで。

日本国内
  • 権利者: DAZN
  • 契約期間: 2024-25シーズンから4年間(2027-28シーズンまで) ※推定
  • 代理店: Pitch International
代理店が販売している権利は全試合ではなく、EFLが指定した国際中継のカードに限定されることに注意。
  • EFLチャンピオンシップ: 年間155試合
  • リーグ1・2: 年間38試合
  • 昇格プレーオフ: 全試合
  • カラバオカップ: 全試合
  • Bristol Street Motor Trophy: 3試合

指定カードはEFLのWebサイトを確認のこと。
Homepage - The English Football League

それ以外の試合はホーム開催のクラブが放映権を持っており、各クラブが独自で運営する配信サービス、もしくはEFL共通のプラットフォーム「iFollow」で配信される。

EFL、新たに2社と代理店契約。カラバオは全試合放送。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ



イギリス
  • 権利者: Sky Sports
  • 契約期間: 2024-25シーズンから5年間 (2028-29シーズンまで)
  • 放映権料: 9.35億ポンド (1年あたり1.87億ポンド)
  • 備考: 年間1,059試合以上が放送される予定

放送が保証されている試合数は以下の通り。
  • チャンピオンシップ: 328
  • リーグ1: 248
  • リーグ2: 248
  • プレーオフ: 15
  • カラバオカップ: 93 (全試合)
  • EFLトロフィー: 127 (全試合)

NPBの放映権は、各球団が個別で管理している。
ただし、NPBが主管するオールスターと日本シリーズはNPBの管理となる。
パ・リーグ6球団は合弁会社「パシフィックリーグマーケティング」(PLM)を設立し、インターネット配信の権利を共同で販売しているほか、自ら「パ・リーグTV」を運営している。

●テレビ放送
各球団が個別でテレビ局に販売。
スカパーの「プロ野球セット」で全試合を視聴可能だが、NPB主管の試合は対象外。

●インターネット配信
DAZNはPLM社と契約。また、セ・リーグの5球団(広島除く)と個別に契約し、11球団を確保。

PLM社は以下の会社と契約している。いずれも2023~27年の5年契約。
  • DAZN
  • ソフトバンク(ベースボールLIVE)
  • 楽天(Rakuten TV)

●巨人・読売新聞・DAZNの提携
2019年に結ばれた提携で、DAZNは巨人戦の放映権を獲得。年間20~25億円と推定。
DAZNは巨人のスポンサーとなり、読売新聞はDAZNの加入を促進するキャンペーンを実施。
読売がDAZNと「包括提携」に至った両者の思惑 今季から巨人がDAZN放映されるだけではない | メディア業界 | 東洋経済オンライン


2020年には新たに5年契約を結んだと報じられる。
球界の盟主地上波離れ加速 巨人、DAZNと新たに5年契約 ネットへ重心(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

2025年には10年間の契約延長を発表。
キャンプと二軍戦を新たに配信開始。また、タイにおける一軍戦の放映権を獲得。
【巨人】DAZNと新たに10年契約 台湾で巨人戦配信、キャンプやイースタン・リーグも配信へ - スポーツ報知


●二軍戦
イージースポーツが巨人・広島・日本ハムを除く11球団と契約。
2024年から参入したオイシックス新潟・くふうハヤテを含む。

『イージースポーツ プロ野球プレミアム』2024シーズン配信球団決定と料金改定のお知らせ – イージースポーツ

主催者であるワールドアスレチック(WA)の代理店は、ヨーロッパ向けがEBU(欧州放送連合)、それ以外の地域は電通であり、それぞれ2029年までの契約。

世界陸上の代理店、2029年まで電通とEBU。 | 放映権事情を妄想しながらスポーツ中継を楽しむ

WAと電通の契約には、2029年までに日本で世界陸上を開催するという条項が存在しているとされており、2025年の東京開催で条件が満たされる。

また、TBSはWAと「メディアパートナー」の契約を結んでおり、国際映像の制作を担当する。

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